JavaSilver取得への道 基本編メモ
パッケージ
パッケージを使用する目的は以下のようにまとめられる。
- 名前空間を提供し、名前の衝突を避ける
- アクセス修飾子と組み合わせてアクセス制御機能を提供する
- クラスの分類を可能にする
1.名前空間を提供し、名前の衝突を避ける
例えば、パッケージ名を"tsujimari"とする。すると、tsujimariパッケージ内で作られたクラスは"tsujimari.クラス名"という完全修飾クラス名で表すことができる。
このようにしてクラス名が重複しても区別することができる。
ちなみに、パッケージ名にはドメイン名を逆にしたものを使用するのが慣習である。
2.アクセス修飾子と組み合わせてアクセス制御機能を提供する
アクセス修飾子 | 内容 |
---|---|
private | 同じクラス内からしか呼び出せない |
省略 | 同じパッケージ内からしか呼び出せない |
protected | 同じパッケージ内か、そのサブクラスから呼び出せる |
public | どこからでも呼び出せる |
アクセル修飾子を使用することで、パッケージ内のクラスを”公開するクラス”と”非公開にするクラス”に分けることができる。
3.クラスの分類を可能にする
パッケージはディレクトリ機能とマッピングされるため、管理が簡単になる。
パッケージのインポート宣言
①明示的にパッケージ宣言したクラスから無名パッケージに属するクラスにアクセスしようとするとコンパイルエラーが起きる
//無名パッケージに属するSampleクラス public class Sample { public static int num = 10; }
package example; //exampleという明示的に宣言したパッケージに属するSampleImpleクラス //無名パッケージに属するSampleクラスは同じ無名パッケージに属するクラスからしかアクセスできないため、Sample/numでエラーがでる。 public class SampleImple extends Sample{ public static void main(String[] args) { System.out.println(num); } }
この場合、Sampleクラスをexampleパッケージ内に作成すれば解決する。
②異なるパッケージのクラスにアクセスするときはインポートを宣言する
package sample2; //sample2という明示的に宣言したパッケージに属するSampleクラス public class Sample { public static int num = 10; }
package example; //sample2パッケージのSampleクラスをインポートする宣言 import sample2.Sample; public class SampleImple extends Sample{ public static void main(String[] args) { System.out.println(num); } }
インポート宣言は、省略表記のために用いるだけであり、インポートしたフィールドやメソッドがコピーされる訳ではない。よって以下のような書き方でも可。
package example; //完全修飾クラス名で表記 public class SampleImple extends sample2.Sample{ public static void main(String[] args) { System.out.println(num); } }
sample2に属するクラス全てをインポートしたい場合はアスタリスクを使用する
import sample2.*;
staticインポート
staticとは
staticとは、クラスに属するものであり、インスタンスを生成しなくても実行することができる。
そのため、staticメソッドから非staticなメンバ(インスタンス変数)にアクセスすることはできない。
なぜなら、インスタンスの有無に関係ないstaticメソッドから呼び出しても、どのインスタンス変数にアクセスしていいのか分からないからである。
staticインポートの書き方
staticなフィールドはメソッドはクラスに属しているため、”クラス名.フィールド名”や”クラス名.メソッド名”とどのクラスに定義されているものか明示しなければいけない。
//sampleクラスのstaticなprintメソッドをインポート import static sample.print
メソッドがオーバーロードされたメソッドが複数あった場合は引数によって呼び出されるメソッドが決まるため、インポート宣言で引数を指定する必要はない
エントリーポイント
複数あるメソッドの中でも、最初に処理を始めるメソッドのことで、mainメソッドを指す。
エントリーポイントの定義は以下のように決められている。
public static void main(String[] args) { //}
変更可能なのは引数名である”args”の部分だけである。
ちなみに引数にはString配列型だけではなく、可変長引数のString型を受け取ることもできる。
Javaコマンド
javaコマンドで、mainメソッドに渡す引数のことを”起動パラメータ”や”コマンドライン引数”という。
javaの構文は以下のようになる。
参考文献:「java se8 silver 問題集」
セッション
セッションとは
ブラウザとサーバーの一連のやりとりのこと。
例えばあるwebサイトにアクセスして、そのサイトから出て行くかブラウザを閉じるまでが1セッションとなる。
セッション管理を用いると、ショッピングサイトなどで異なるページを開いても同一クライアントの情報を管理することができる。
多くの場合ページの閲覧時間が何分か開くと新しいセッションとしてカウントされる。サイトでよく見かける”セッションタイムアウトになりました”というのがこれを意味する。
HttpSessionインタフェースを使用するとサーブレットコンテナがセッション管理を容易に行ってくれる。
セッション管理サンプルコード
package example; import java.io.IOException; import java.io.PrintWriter; import javax.servlet.ServletException; import javax.servlet.annotation.WebServlet; import javax.servlet.http.HttpServlet; import javax.servlet.http.HttpServletRequest; import javax.servlet.http.HttpServletResponse; import javax.servlet.http.HttpSession; @WebServlet("/count") public class CountServlet extends HttpServlet { @Override protected void doGet(HttpServletRequest req, HttpServletResponse resp) throws ServletException, IOException { HttpSession session = req.getSession(); Integer count = (Integer) session.getAttribute("count"); if (count == null) { count = 0; } count++; session.setAttribute("count", count); resp.setContentType("text/html;charset=UTF-8"); PrintWriter out = resp.getWriter(); out.println("<html>"); out.println("<head><title>Count</title></head>"); out.println("<body>"); out.println("<h1>Count: " + count + "</h1>"); out.println("<a href=\"count\" >count</a>"); out.println("</body>"); out.println("</html>"); } }
HttpSession session = req.getSession();
doGetメソッドでは、HttpServletRequestオブジェクトに対してgetSessionメソッドを呼び出し、HttpSessionオブジェクトを取得している。
この時引数を指定していないので、初回アクセス時などセッションが存在していない場合は新しいセッションが作成される。
Integer count = (Integer) session.getAttribute("count");
HttpSessionオブジェクトのgetAttributeメソッドを呼び出し、"count"という名前で保存されたデータの値を取得している。この時データがなければnullで返却される。
また、getAttributeはオブジェクト型で返却され、基本データ型は扱えない。そのため今回はIntegerにキャストして変数countをint型として扱っている。
if (count == null) { count = 0; } count++; session.setAttribute("count", count);
変数countがnullでないことを確認し、countをカウントアップしている。そしてその後HttpsSessionオブジェクトに対しsetAttributeメソッドを呼び出し、"count"という名前をつけcountオブジェクトをセッションに保存している。
サーブレット入門
サーブレット入門
私たちががwebサイトを見るとき、実は内部では以下のような過程が行われている。
クライアントであるwebブラウザはwebサーバーにhttpリクエストを送る。そしてそのリクエストをもとにサーバーからデータを収集し、レスポンスを返しているのである。
仕組みを図解すると以下のようになる。
サーブレット
サーブレットとはアプリケーションサーバー内で動くjavaクラスのことである。サーブレット単独で動くことはできず制御する実行環境上(サーブレットコンテナ)で動く。
ユーザーが作るサーブレットは、servletインタフェースを直接は実装せずHttp.Servletクラスを継承する形をとる。
httpリクエスト
httpリクエストは、クライアントからサーバー側に送られる要求のことである。httpリクエストは以下のような構成になっている。
1行目はリクエストラインである。サーバーに要求する情報で、メソッド、リクエストURL、プロトコルバージョンで構成されている。
GET / HTTP/1.1
httpのバージョン1.1で通信を行い、/というURLに対して情報を取得(GET)したいという要求である。
GETとPOST
GETとPOSTはクライアントからサーバーに情報を送信したりするときに使用するメソッドである。HttpServletクラスにあるdoPost()・doGet()メソッドをオーバーライドしてサーブレットから呼び出す。 両者の違いは以下のようなところにある。
GETを使用して情報を送信:URLに付与する形でリクエストパラメータを送信する。URLの後ろに?を付け、名前=値の順番で記述する。
またクライアントがwebページの情報をサーバーに要求するだけの場合は基本的にGETを用いる。
POSTを使用して情報を送信:入力フォームを使用して送信する。
サーブレット側に送信されたリクエストパラメーターを取得するときはgetParameter(String name)メソッドを使用する。
httpレスポンス
HttpServletResponseオブジェクトはhttpレスポンスを表現しており、httpレスポンスは以下のような構成になっている。
レスポンスでhtmlを返却する場合はボディ部にhtmlが格納される。
setContentType(String type)メソッドを使用することで返却するレスポンスのコンテントタイプを指定することができる。
コンテントタイプの指定
package sample; import java.io.IOException; import java.io.PrintWriter; import java.util.Arrays; import java.util.List; import javax.servlet.ServletException; import javax.servlet.annotation.WebServlet; import javax.servlet.http.HttpServlet; import javax.servlet.http.HttpServletRequest; import javax.servlet.http.HttpServletResponse; import javax.xml.ws.RespectBinding; @WebServlet("/names") public class NameSarvlet extends HttpServlet { @Override protected void doGet(HttpSevletRequest req,HttpServletResponse resp)throws ServletException, IOException{ List<String> names = Arrays.asList("John","Paul","George","Ringo"); resp.setContentType("text/html; charset=UTF-8"); PrintWriter out = resp.getWriter(); out.println("<html>"); out.println("<head><title>Names</title></head>"); out.println("<body>"); out.println("<ul>"); for(String name : names){ out.println(<"li"> + name + </li"">); } out.println("</ul>"); out.println("</body>"); out.println("</html>"); } }
@WebServlet("/names") public class NameSarvlet extends HttpServlet {
1行目ではnamesという名前のサーブレットを作成するということを表している。この名前はURLに関連した名前である。
2行目でNameSarvletクラスはHttpServletクラスを継承している。
@Override protected void doGet(HttpSevletRequest req,HttpServletResponse resp)throws ServletException, IOException{
HttpServletクラスのdoGet();メソッドをオーバーライドしている。
doGetメソッドでは、サーブレットがクライアントに返すレスポンス内容を含むHttpServletResponseオブジェクトを生成している。
resp.setContentType("text/html; charset=UTF-8");
setContentTypeの引数には文字列でテキストタイプを指定する。
PrintWriter out = resp.getWriter();
レスポンスのボディ部にテキストデータを出力するためにgetWriter();メソッドからPrintWriterオブジェクトを取得する。
out.println("<html>"); out.println("<head><title>Names</title></head>"); out.println("<body>"); out.println("<ul>"); :
PrintWriterオブジェクトに対してHTMLを出力している。結果としてHTMLがレスポンスボディに格納されることになる。
JDBC(Java Database Connectivity)
JDBCとは
Java言語でデータベースにアクセスするためのインターフェース(API)のこと。
あくまで仕様であり、実装されていないため中身はない 。
中身の実装はDB製品の種類に応じてDBを提供している各ベンダーのJDBCドライバが行う。
JDBC API
Javaプログラムで使用し、JDBCドライバとの接続を行うための標準インターフェースである。機能は以下のようになっている。
- データベースへ接続する
- SQL文を発行する
- データベースが処理した結果を取り出す
- データベースの情報や処理結果に関する情報を取り出す
JDBC DriverManager
java.sqlパッケージのクラスであり、JavaプログラムとJDBCドライバの間に位置する。複数のJDBCドライバを管理することができる。
JDBCドライバ
データベースに直接アクセスするためのに使用する、JDBCインターフェースの具象クラスのこと。
MySQL<基本>
MySQL
MySQLとは …
Oracle社から販売されているリレーショナル・データモデルに基づいて作成されたデータベース管理システム(DBMS:Database Management System)のこと
オープンソースで開発されており、無償で提供されている
データベース(Database)とは…
広義の意味でのデータベースは、「データの貯蔵庫」を指す
IT分野では、DBMSのことを指す
DBMSとは…
データベースを管理するためのアプリケーションのこと
DBMSの基本的な操作"CRUD"とは…
作業名 | 内容 | MySQL内での具体的な文 |
---|---|---|
CREATE | 新しいデータの追加 | CREATE・INSERT |
READ | 既存データを検索する | SELECT |
UPDATE | 既存データを変更する | UPDARE |
DELETE | 既存データを削除する | DELETE |
リレーショナル・データベースとは…
①二次元の表(テーブル)を扱う
②テーブルはデータ重複なく整合的である(=正規化されている)
③テーブル同士に関連を持たせて結合(ジョイン)することができる
④SQL(Structured Query System)という専門言語を用いて操作する
*1:一連のデータ処理の流れをひとまとめにした単位のこと
オブジェクト指向
1.17-18
クラスとオブジェクト
オブジェクト(object)・・「モノ」のこと
目に見えるモノでだけではなく、概念などもオブジェクトである。オブジェクトの中には、クラスとインスタンスが含まれる。オブジェクト
- クラス
- インスタンス
クラス(class)・・「分類」「型」「概念」
- インスタンス(instance)・・クラスを実体化したもの
インスタンスを生成するためには new を用いる
Dog john = new Dog();
自分で定義したDogという参照型の変数の型を用いてjohnという名前の変数にインスタンスを格納している。これは、インスタンスがDogにいるという存在の場所を知らせているだけで、そのまま変数に代入している訳ではないことに注意
またクラスは三つで構成されている。
- フィールド(状態)
- メソッド(振る舞い)
- コンストラクタ(フィールドの初期化)
コンストラクタの方法
public class Dog{ String name; Dog(String name){ this.name = name; } }
コンストラクタするときに陥りやすいところ
コンストラクタは、明示的に表示していないときでも、引数なしのコンストラクタが暗黙のうちに生成されている。(デフォルトコンストラクトという)
しかし、引数ありのコンストラクタを生成した場合、引数なしのコンストラクタは生成されない。
そのため、java Dog john = new Dog();
に引数を入れなかった場合、コンパイルエラーが生じる。
なぜなら、引数ありのコンストラクタを生成しているにも関わらず、引数を与えていないからである。この場合、Dogクラスに引数なしのコンストラクタを明示する必要がある。
Java Silver への道 データ型(プリミティブ型)編
4.4
データ型
データ型とは、データの種類を表す情報で、プログラムの実行中にデータの扱い方を指定するために記述するもの。
例えば"3"という値を整数として扱う場合と浮動小数点として扱う場合とではコンピュータ内部での扱い方が変わる。
プリミティブ型(基本データ型)
プリミティブ型は、整数や浮動小数点といった数値、真偽値、文字を扱うもの。
種類 | 型 | サイズ | 既定値 |
---|---|---|---|
整数型 | byte | 8bit | 0 |
整数型 | short | 16bits | 0 |
整数型 | int | 32bits | 0 |
整数型 | long | 64bits | 0 |
小数型 | float | 32bits | 0.0 |
小数型 | double | 64bits | 0.0 |
真偽値型 | boolean | 1bit | false |
文字型 | char | 16bits | ¥¥u000| |
*型名は省略などせずにこのままの通り記述する
暗黙の型変換について
整数はlong型、少数はdouble型がいちばん大きなデータを表すことができる。
前述した表の上から小さい順に並んでいて、イメージとしては順番にデータを入れる箱が大きくなっていると考えるとよい。そのため、小さい箱は大きい箱に入れて変換することができる。
たとえば、int型はlong型に変換してくれるけれど、short型に変換はしてくれない。
public class Sample { public static void main(String[] args) { // 2147483647はint型で扱えるデータの最大値 int x = 2147483647; // long型の方がintより大きいデータを扱えるため、暗黙的にlong型に変換してくれる long xx = 2147483647; // shortで扱えるデータの値より大きいためint型に変換できずコンパイルエラーが起きる short xxx = 2147483647; //short型の範囲であれば型変換OK short xxxx = 21; } }
リテラル
リテラルとは、ソースコード中に記述する値のこと。javaには整数、浮動小数点、真偽値、文字の4つのリテラルが存在する。
たとえば整数値を記述するとデフォルトでint型として扱われる。浮動小数点だとdouble型、真偽値であればboolean型、文字であればchar型である。
もしデフォルトの型ではなくて明示的に違う型を指定したい場合は、接尾辞をつけなければいけない。
public class Sample { public static void main(String[] args) { //9223372036854775807はint型では扱えないlong型でいちばん大きなデータ //longと表記しているにも関わらず、接尾辞をつけていないためint型と認識しコンパイルエラーがでる long a = 9223372036854775807; //接尾語をつけるとlong型と認識してくれる long aa = 9223372036854775807L; } }
~整数リテラルを2・8・16進数で表記するときのルール~
10進数はそのまま表記することができるが、それ以外の進数で表記したいときは接頭辞をつけなければいけない。
進数 | 接頭辞 |
---|---|
2 | 0b |
8 | 0 |
16 | 0x |
~文字リテラル~
文字リテラルは一文字を表すデータ型で、char型で表現できる。
ちなみに文字列リテラルは複数の文字を表すデータ型である。
この二つのリテラルを区別するために、文字リテラルはシングルクォーテーション「'‘」、文字列リテラルはダブルクォーテーション「"“」で括る。
文字リテラルは、「a」などの文字だけでなく、「¥u」から始まるUnicode番号(16進数4桁)でも表すことができる。
このように16進数4桁の数値で文字を表現できることから、char型には0~65535までの数値を代入できる。(負の値は不可) これは数値リテラルであるため、シングルクォーテーションは必要ない。
char型に代入できるもの
public class Sample { public static void main(String[] args) { char a = 12450; char b = 'ア'; char c = '\u30A2'; System.out.println(a); System.out.println(b); System.out.println(c); } }
➡結果はすべて「ア」が表示される
~アンダースコア~
数値リテラルの見やすさを向上させるために導入された。使用には以下のルールがある。
- リテラルの先頭と末尾には使用できない
- 記号の前後には使用できない
- 利用できる記号は「.」「F」「L」「0b」「0x」
識別子
識別子とは、変数やメソッド、クラスなどプログラマーが自由につけていい名前のことを指す。識別子には以下のような命名規則がある。
*1:intやforなどプログラムを書く上で必要な用語